【手は言葉以上に愛を語る】5
第5話
手のぬくもりが伝わる料理
登場人物
1.主人公:白崎愛美(しろさき まなみ)
2.主人公:黒井義輝(くろい よしき)
3.愛美の友人義輝の妹:黒井あかり
4.義輝の友人:木村和也(きむら かずや)
5.義輝の元婚約者:加護 れな(かご れな)
「愛美お兄ちゃんが大変なの。電話きづいたら連絡頂戴!」
留守番電話にメッセージがたくさん残っていた
「もしもしあかり?どうしたの?」
「お兄ちゃんが緊急入院したって連絡があったの!これから病院に行くんだけど、一緒に行こう!」
えっなんで?頭が真っ白だった。
朝のテレビ番組をつけると
インスタグラマーれな逮捕
その他関係者殺人未遂の容疑で逮捕と
報道している。
えっ?
えっ?
殺人未遂!?これはただ事ではないと思った
病院につくとすぐに
手術室入り口に案内された。
手術中のランプが点灯したまま
時間が過ぎていく
私は会いたい人には
いつでも会えると思っていた。
会えなくなるかもしれないという
恐怖を感じたのは初めてだった
今日笑いあえていても、
明日がどうなっているかなんて
誰にもわからない
だから日々を大切に
いきていかなきゃいけない。
改めて感じた
手術中のランプ消灯と共に
お医者さんが
説明をしてくれた。
命には別状はないが、
刺さりどころが悪く神経に
異常をきたす可能性があるという。
よしさんと会話ができるようになったのは
それから2日後だった。
「ま、愛美ちゃん?あれ、俺なんでここにいるんだっけ?」
「よしさん!!よかった、今は安静にしていてください」
私は真相については話さなかった。
連日お昼のワイドショーでは、れなさんの話で持ちきり、まさか和也まで関わっていたとは
よしさん精神的にきついだろうなぁ。
「ちょっと待っててくださいね花瓶の水取り替えてきます」
美容室のスタッフから
花が送られてきていた
元気で立派な花だ
鮮やかな色彩は見ているだけで癒される
それから数日後、
点滴も外れ歩いてみることに。
「まずはトイレに行けるようにしましょうね」
看護師さんが、肩に手を乗せたときだった
よしさんの顔が青ざめていた。。。
「どうしたんですか?よしさん」
「右腕、右手の感覚がないんだ。。。」
看護師さんが言う。
「リハビリ頑張りましょうね」
沈黙が続いた。
あかりもなんとか元気を出してもらおうと
必死に話しかけていた。
病院食の時間、
右手で箸を持とうと頑張るも、
何度も落としてしまう。
額から滲み出る汗が苛立ちを募らせていた
「くそっなんで動かないんだよ!」
箸を荒々しく置くよしさんを
見て見ぬ振りをした。
「私になにができるんだろう?」
よしさんの腕となり、手になりたい。
そう思った私はスプーンとフォークを
買いに行った
美容師は手が命だ、
常に使えなくなる恐怖と
戦っている。
「ねぇ、あかり?俺のシザー(ハサミ)を
お店から持ってきてくれないか?」
「わかった!」
どんな状況であれ、夢を諦めていなかった。
毎日ハサミを握りしめて寝ていた
死に物狂いでリハビリを開始したのだった。
私はと言うと手がうまく使えない
よしさんのためにと
病院に通う時はお弁当を作るようになった
「いつもありがとなお弁当」
「手作りだからお口に合うかどうか、、、美味しいですか?」
「このお弁当があるから頑張れるよー病院食まずいからさー元気の源!」
「そうやって言ってもらえると嬉しいです」
「特に好きなのはさこのおにぎり!」
「おにぎりって料理じゃないじゃないですかぁ笑笑」
「いやだってさぁ。なにがはいってるかなぁって考えるのもいいし、何より朝早くから握ってくれてるわけでしょ、愛美ちゃんの元気がつまってる元気玉だよね!」
私にできることは支えることだ
「そういやさぁ愛美ちゃん彼氏いないのー?毎回きてくれて怒られちゃうよ 笑笑」
男ってほんと鈍感なんだから!!もぅ!
「いないですよー早く元気になってもらわないと私の髪の毛ボサボサですからね!よろしくお願いします」
「ごめーん」
「じゃ、私今日は仕事なのでまた夜にきますね」
「ありがとう!待ってる」
そんな日常が2人の時間になり
安心しきっていたある日
病院に行くと、執行猶予中の
れなさんがお見舞いにきていた。
私はとっさに扉の裏に隠れ
2人の話を盗み聞きした
「義輝、ごめんね私が間違ってた。やりなおせないかな」
えっ!?
続く
【次回予告】
第6話
れながとった愛の終着点は?
そして、愛美の愛の行方は?
義輝がくだした、決断とは何か
「好きになってくれてありがとう」
お楽しみに